小児矯正はいつから？
早めに始めると
何が良いの？
子どもの歯科矯正を始めるのに最適な時期は、お子さんのお口の症状によって異なります。
受け口などは早期（3歳～4歳頃）の介入が重要です。それ以外の場合は、『小学1・2年生から1年～1年半の短期間』で治療を終わらせて、その後は経過を診ながら、あごの成長に備えるのが基本となります。
お子さんのお口の症状を把握するためにも、まずは早めに矯正治療に精通した歯医者さんで診察を受け、“症状に合わせた開始時期に、なるべく短期間で矯正を行う”ことが大切です。
早めに小児矯正を始めると
何が良いの？
歯科の矯正治療は年齢にかかわらず、大人になってからでも始められる治療ですが、成長期にある子どものうちから早めに矯正治療を始めると、多くのメリットがあり、少ない負担で、より理想的な歯並びや噛み合わせを実現できる可能性が高まります。
そこで今回は、小児矯正を早めに始めると何が良いのか、『成長期だからこそ得られる子どもの歯科矯正のメリット』や『成長期以降に矯正治療をする際の注意点』について詳しく解説します。
小児矯正を早めに始める
メリット
メリット1.
あごの成長をコントロールでき、
抜歯リスクを減らせる
小児矯正を早めに始める1つめのメリットとして、お子さんの『将来的な抜歯リスクを減らせる』ことが挙げられます。
歯科矯正では抜歯をする場合がある
大人の歯列矯正では、必要に応じて特定の歯を抜くケースがあります（便宜抜歯）。これは、歯をきれいに並べるためのスペースを確保する目的で行われます。
噛み合わせやお口の機能に影響の少ない歯を抜きますが、歯には1本1本に役割があるので出来れば抜かないで済むに越したことはありませんし、患者様としても“健康な歯を抜く”ことに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
メリット2.
指しゃぶり・舌癖・口呼吸なども改善。トータルな成長をサポート
小児矯正を早めに始める2つめのメリットとして、『指しゃぶり・口呼吸・舌癖などの悪習癖の改善』に加えて、『姿勢や呼吸への良い影響』が挙げられます。
指しゃぶり・舌癖・口呼吸が
長期間続くと...
3歳を過ぎても指しゃぶりをする、また舌で歯を押すといった癖は、
将来的に歯並びや噛み合わせが悪くなる原因になります。
口呼吸の癖も、子どもの歯並びに大きな影響を与えることが分かっています。歯並びは、口周りの筋肉と舌が外側に与える力のバランスによって保たれているのですが、口呼吸が続くと舌の定位置がずれてしまい、口周りの筋肉が鍛えられず歯並びの乱れを引き起こす恐れがあります。
歯並びを悪くする原因を改善し、
お口と全身の健やかな成長へ
子どもの歯科矯正を早めにスタートすることで、歯並びや噛み合わせが悪くなる前に、その原因から改善を図ることができます。
気になる親御さんも多い、指しゃぶりやお口ポカンといった子どもの習癖の改善だけでなく、口呼吸の改善によって口内の乾燥を防ぎ、虫歯リスクを下げることにも繋がります。
また、歯並びが悪くなる原因として普段からの“姿勢”が影響していることも多くあり、小児矯正を通じて正しい姿勢へと改善することで、噛み合わせや全身バランスにも良い影響を得られることが期待できます。
小児期の早めに矯正治療を始めることで、歯並びを悪くするお子さんの習癖などを早期に改善し、お口と全身の健やかな成長を促します。
メリット3.
発音・咀嚼・清掃性の改善。
心身へのポジティブ効果
小児矯正を早めに始める3つめのメリットとして、『発音・咀嚼・清掃性の改善と、お子さんの自信を持った“笑顔”につながる』ことが挙げられます。
小児矯正による「発音の改善」
小児矯正によって正しい歯並びへと導き、舌の動きや口周りの筋肉の動きを改善することで発音の改善が期待できます。
歯並びが整うことで、舌が正しい位置へと動きやすくなり、発音がスムーズに行えるようになります。特にお子さんが矯正治療を受けると舌の動きや位置が正しく改善され、発音がより正確になることが多くあります。
小児矯正による「噛み合わせの改善」
歯並びの乱れは見た目の問題だけでなく、咀嚼（そしゃく）に影響する噛み合わせの悪化にもつながります。
小児矯正治療で噛み合わせが整うと、食べ物をよく噛めるようになることで消化器官への負担をさげ、栄養吸収が高まります。また、良い噛み合わせはスポーツや運動時の集中力を高める効果も注目されています。
小児矯正による「虫歯の予防効果」
歯並びが乱れている場合、歯が重なっているところなどは歯ブラシが届きにくいので汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
小児矯正治療で歯並びを整えておくことで、大人になってからもお口のケアがしやすくなり、お口の健康を保ちやすい環境を作ることができます。
︎思春期を『自信を持った笑顔』で
歯並びの乱れがコンプレックスの原因となり、口元を気にして積極的になれなかったり、人前で笑顔になる自信が持てなくなるお子さんも少なくありません。
小児矯正を早めに始めることで、お子さんの負担をおさえつつ歯並びをきれいに整えることが出来れば、特に見た目を気にする中学生ごろの時期には、口元にコンプレックスを感じることなく、お子さん本来の自信を持った笑顔で思春期を迎えられるでしょう。
成長期以降に矯正治療をする際の注意点
あごの成長が止まるため、
骨格矯正が困難となる
成長期を過ぎてからお子さんの矯正治療を始める場合、成長を利用した顎の位置や形状の改善は難しくなります。
受け口（反対咬合）など症状によっては外科的な治療が必要になるケースもあります。
矯正期間が長くなる場合がある
小児の早い時期と比べると、成長期以降は骨が硬くなるため、歯を動かすのにより時間がかかる場合があります。
治療スケジュールの
調整が難しくなる
成長期以降になると、学業と部活動との両立が必要になるお子さんも多いので、治療スケジュールの調整に苦労される患者様もいらっしゃいます。
もちろん矯正治療は成長期以降でも、大人になってからでも行うことは可能ですが、成長期以降の治療には制限を伴いやすく、お子さんにも親御さんにも負担が大きくなることが考えられます。
小児矯正を早めに始めることで、将来的なメリットも多く得られ、お子さんと親御さんのご負担も少なくできます。
注意！
矯正は、“早ければ良い”と
いうわけではありません。
ここまで、小児矯正を早めに始めるメリットについてご紹介してきましたが、小児矯正治療を開始する時期は、すべてのお子さんが早ければ早いほど良いというわけではありません。
お子さんのお口の症状によって、早く開始した方がメリットが大きい場合もあれば、永久歯に生え変わってから始めた方が良いケースや、場合によってはお子さんの体の成長が止まるまで待つケースもあります。
つまり、『お子さん一人ひとりの症状に合わせたタイミングを見極めて矯正を開始する』ことが重要です。
まずはお子さんの現状を正しく把握するためにも、専門知識と経験豊富な「矯正認定医」による診査診断を事前に受けておくと安心です。
「矯正認定医による治療はなぜ安心？その専門性と費用の背景について「相談は早め」がオススメ
お子さんの矯正の適切な治療開始時期や矯正方法は、それぞれのお口の状態や成長段階によっても異なります。
特に骨格性の受け口(反対咬合)の場合は、「3歳～4歳ごろ」から治療を開始することが望ましいとされています。
お子さんに矯正が必要かどうか、いつ行うのが適切かといった判断はご家庭では難しいため、一度早い段階で歯医者さんに相談しておけば、お子さんのお口の現状を把握でき、矯正を始めるタイミングを正しく判断することができます。
当院をはじめ、医院によっては矯正の「初診無料相談・無料カウンセリング」に対応している歯医者さんもあります。
ぜひ気軽にご活用いただき、子どもの歯並びやあごの成長に関する悩みや心配ごとなど、一度相談してみてください。
まとめ
早期介入は、大切なお子さんの歯並びの「土台づくり」
成長期にある子どものころから早めに矯正治療を始めると、あごの成長をコントロールできるため、「将来的な抜歯リスクを減らせる」可能性が高まります。
小児矯正でお口の土台を整えておくと、2期治療（永久⻭列になってから行う矯正治療）が簡単になることが多く、抜歯の必要もなく、期間も短く済むことが期待できます。症状によっては、そもそも大人になってからの矯正治療が不要になる場合もあります。
さらに、歯並びに大きな影響を与えるとされる「指しゃぶり・舌癖・口呼吸などの習癖改善」や「発音・咀嚼の改善」に加えて、お子さんが自信を持った本来の笑顔で思春期を迎えられることにも繋がります。
ただし、小児矯正はすべてのお子さんが早ければ良いというわけではなく、お子さん一人ひとりの症状に合わせた適切なタイミングで矯正を開始する必要があるため、なるべく早めに知識と経験豊富な歯科医（矯正認定医のいる歯医者さん）に受診することが重要です。
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